複雑系の生物学(3);遺伝的アルゴリズム

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〜『週刊ダイヤモンド』96.11.2、特集「複雑系」の衝撃から〜
・生物において遺伝子が遺伝情報を運ぶ訳だが、遺伝子の集合が染色体。染色体は突然変異や交配(生殖行為)などを通して徐々に変化していく。そして環境により適応した染色体をもった個体が生き残る(自然選択)、と考えられている。この原理を情報処理に応用したものが遺伝的アルゴリズム。
・まず、問題に対する答えを複数用意しておき、それらの1つ1つを生物の遺伝子と見なす。その中で、答えとして優秀なものを確率的に選択し、さらに生き残った遺伝子同士で交叉や突然変異などの遺伝子操作を行う。
・これらを何回も繰り返し、世代交代を行うことで、自然選択の仕組みにより、自動的に問題に対する答えが得られる。
・遺伝的アルゴリズムで必要とされる情報は、与えられた環境に対する適応度を決める情報だけであり、解くべき問題の性質に関する情報をほとんど必要としない。これが「ブラインドサーチ」と呼ばれる、遺伝的アルゴリズムの特徴である。
・この特徴により、遺伝的アルゴリズムは、数学的に定式化のむずかしい制御、設計分野におりて数々の聖歌を収めている。
・遺伝的アルゴリズムの考えを始めに考案したのは、複雑適応系(2)で紹介したジョン・ホランドである。

※最近はニューラルネットワークやこの遺伝的アルゴリズムなど自然界の現象を情報処理に利用していく研究が多い。それらの特徴としては特に規則やモデルを人間が明示しないままでも問題が解決したり、処理されることが可能だということである。
by ykenko1 | 2005-03-15 21:51 | 生物学 | Comments(0)


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