〜金子邦彦『生命とは何か』p268から〜 上図ではあるモデルを用いた数値計算の結果で、細胞SからAとBという二種類の細胞が分化してくるようすが表現されている。横軸が物質2、縦軸が物質13の濃度を表す。(この二つの成分は任意に取り出したもの) モデルでは細胞Sの中にはいくつかの物質がさまざまな化学反応によってその濃度が変動しており、また周囲の細胞と相互作用している設定となっている。すると特別な仕掛けなしに、始めはS細胞だけであったのがA細胞、B細胞など別の変動パターンをもつ細胞が生じてくる。
by ykenko1
| 2005-05-15 20:08
| 生物学
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Comments(3)
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cozysc at 2005-05-31 23:37
図がリュエルのストレンジアトラクタに似ていると思ってしまった。
白か黒かはっきりさせることが「定常状態」とするならば、生きている限り「定常状態に落ち着くことがない」のが、「生きている事」になるのかなぁ
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ykenko1 at 2005-06-01 00:01
cozyscさん、こんばんは。
「生きている事」は「ゆらいでいる事」だと思うのです。ゆらいでいるという事は、まったく決まりきったパターンを描くのでもなく、まったくランダムでもなく、その両者の中間のあり方。 金子氏のモデルでははじめの細胞はゆらぎが大きくて、いろいろな細胞に分化していける可能性があるのですが、だんだん時間が経つにつれ、ゆらぎが少なくなると、ある決まった細胞にしか増殖できなくなります。 そういう意味では年を取ったらそれなりのところに落ち着くというのが、やはり無難かも。(いつまでもゆらいでいても、ただの落ち着きのない人になってしまうので。)
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ykenko1 at 2005-06-01 08:30
追加
「リュエルのストレンジアトラクタに似ている」→正解です。 これはまさにカオスのアトラクタを表現しています。 ただこのカオス系の特徴は 1.カオス同士が相互作用しているカオス結合系であること 2.カオス的振る舞いを示すユニットがある時点で分裂して増える増殖系であること の2点が特徴になっています。
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