感覚入力と認識;アナログからデジタルへの変換過程

  ドレツキによれば、感覚入力を一般化したり、カテゴリー分類したり、認識したりする際は、データのアナログからデジタルへの変換がある。
  ここでのアナログとデジタルの定義は通常の使い方と違う。デジタル記号はある特定の特徴に関する情報(ある事物が◯◯である、など)で、それ以外の情報は捨て去られたもので、アナログ記号はデータの全ての情報の表現(ある事物が◯◯である、などに付随する情報をふくむ)と考える。
  事物の分類の際には、具体的な個物のある特定の特徴についての共通性から分類がなされるのであり、それ以外の情報については無視される。そう言う意味での抽象化なしには事物の分類はできない。何故なら具体的な数多くの特徴の一致は、極端に言えばそれ自身以外に存在しないからである。
  そういう意味で、様々な情報が詰め込まれたアナログ情報としての感覚情報は、ある特定の観点で切り取られたデジタル情報とされて、初めて分類したり、一般化されたり、認識されたりする。

ドレツキ『Knowledge and the flow of information』から
by ykenko1 | 2015-04-25 18:54 | 情報論 | Comments(0)


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