量子確率論的世界観

  皆さん、ご無沙汰してます。一応、生きてました。今回、nadjaさんのコメントに刺激されて久しぶりに記事を書きます。(読んでくれる人はどれぐらいいるか分かりませんが。)
  最近、アメリカのサイエンスライターの人で量子力学か化学の分野でPhDを取った人の話を聞く機会がありました。面白かったのでそのことについて書きます。彼によれば20世紀に量子力学の確立によってこれまでとは全く違った世界観が示されたのだけれど、それはあくまでミクロの世界のことだからと決めつけられてマクロの世界観はこれまで通りで良いとされてきたが、それで本当にいいのか?と言う訳です。現在、量子力学の世界観は化学のレベルまでには適応されつつあるのだそうな。しかしそれ以上のレベル、即ち生化学、生物学、認知神経科学のレベルなどにはまだまだ適応されていない。
  彼の主張の中心は結局、自然法則は決定論ではない確率論なのだ、ということのようです。Path of Least Actionという法則があって要は物理現象はもっとも抵抗の少ない道に従う(例えば光りが最短距離を結んで直進するというようなことだと思う)のだが、古い物理法則は物質が宇宙の法則によって強制的にそのような道を選ばざるを得ないと考えるが、量子力学の世界ではそのような道を選ぶ傾向があるとしか言えない。もし自然法則が決定論でないとすればこれまで知られていないような力が様々な現象の背後に働いているかもしれないとのこと。
  考えてみればミクロの世界は量子力学でマクロの世界はアインシュタインの相対性理論(限定された範囲ではニュートン力学)というのはいかにもちぐはぐで場当たり的だ。そういえば量子力学と相対性理論の統一が現代物理の難問だという話は前から聞いていたけれど、このことだったんですね。
by ykenko1 | 2005-12-04 23:24 | 物理学 | Comments(2)
Commented by 物理学者の卵 at 2014-07-13 21:31 x
 すばらしいお話ですね。ハイゼンベルグの不確定性原理を有する、一種の振動した粒子同士の衝突を考えると、数回衝突すると等確率性が出てくると思われるが、そういった発表をする物理学者がいない。等確率の原理の確定こそが、人類普遍の財産になるのに。量子力学と熱力学を分断させようと楔を打つ発言がネット上でも散見されている。だれかこのへんを研究してくれませんか~。あと、熱力学と量子力学を分断する意図をもった圧力団体の正体をしっていれば教えてほしい。
Commented by ykenko1 at 2014-07-14 15:31
物理学者の卵さん、コメントありがとうございます。等確率の原理とは、寡聞にして知りませんでした。最近の私の投稿でパターン特異的反応性と言う概念を提案しております。一種の相互作用に伴う創発のような現象ですが、自然現象の中には量的側面だけではなく、パターンの入力に対して物質が特異的に反応する側面が普遍的に見られるのではないかと考えております。熱力学と量子力学を分断する意図を持った圧力団体は分かりませんが、既存の学会などは古くからの枠組みを絶対視する頭の固い方々がいらっしゃるので、結果として分断に向けた圧力になってしまう、つまり特定の団体と言うよりは人間の保守的な考え方の傾向性そのものなのではないでしょうか?


<< 心脳問題;茂木氏の日記に感動! 存在と関係 >>