doctor as a medicineという言葉がある。医師の人間性そのものが患者にとって治療効果をもたらす薬の役割を果たすということだ。自分の人間性や人格がとうていそういう境地までは至っていないのだけれど、それを意識して診療にあたっている。ただ病院ではdoctorだけではなくて、看護師 as a demicine、リハスタッフ as a medicine、薬剤師 as a medicine、栄養士 as a medicine、事務員 as a medicine、入院環境 as a medicine、である。それらが全て総合して患者さんにとってのmedicineの役割をしているのは当然のこと。
高齢者の方は例え痴呆症のある方でも、医師のことを大変尊敬して下さる。自分がそういう尊敬に値するとは思わないし、偉ぶるつもりは全くないのだけれど、そういう自分の立場を治療行為として利用することはある。ちょっとした一言で患者さんの気持ちが変わったり、医師がその場にいるだけでケアしやすい状態になったりすることがある。ただ最近は医師の権威も失墜しつつあるから、20-30年もしたらそういう介入法は効かなくなるかもしれない。
by ykenko1
| 2006-09-28 12:12
| 医学・医療
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Comments(3)
doctor as a medicineですか..
良いことばに出会えました。 ありがとうございます。
0
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ykenko1 at 2006-10-02 00:25
issyさん、コメントありがとうございます。ついでにもうひとつ私が良い言葉だと思っているのはtherapeutic-selfです。ドクターはtherapeutic-selfを持たないといけないと言う事です。issyさんはSTをされているようですが、同じですよね。これからもよろしくお願いします。
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issy
at 2006-10-02 21:39
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ブログ訪問ありがとうございます。まだまだ、若輩者・勉強不足ですがykenko1さんが興味をお持ちの分野に非常に興味があります。これからも勉強させていただきたいと思います。therapeutic-selfですか..STをやっていると、こうした人間性の重要性を身に染みます。良いおことばをありがとうございます。
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