脳のholisticなメカニズム

わるねこさん経由で教えてもらった情報でEdelman,Tononiの“A universe of consciousness”を読んでいる途中。Basarの論文(synchornouls oscillationとmemoryの話)も一つ読んだ。脳のholisticなメカニズムについて、いつか記事を書こうと思う。

“A universe〜”は結構、エキサイティングだ。
by ykenko1 | 2006-11-15 17:29 | 脳科学 | Comments(5)
Commented by わるねこ at 2006-11-16 21:38 x
お、Universe of Consciousnessを読んでらっしゃるんですね。僕は結構時間かかりました。あの本にはEdelmanのDynamic Core仮説のほとんど全てが書かれていると思います。Functional Clusterという概念が出てくるのですが、この辺りの意識を情報として捉える具体的なアプローチは、初めて読んだときは驚きました。
Basarらの論文を読んでいると、synchronous oscillationが脳の分散された領域が交わしている共通言語のような気がしてきます。
Commented by ykenko1 at 2006-11-16 22:31
お蔭さまでいろいろ良い本を教えてもらって、勉強になります。“Wider than〜”も購入したのですが、“Univeres〜”の方が中身が濃いですね。reentrantのコンピュータ・シュミレーションとかcluster indexやneural complexityなどの数学的手法は結構いけてますね。応用範囲も広いでしょうね。reentrantのシュミレーションはニューラル・ネットワークの拡大版のようなものと受け取ったんですが、それでいいんですかね?Edelman/Tononiは脳のcoherent activityはreentrantによるものだと言い切っていますが、Basarはその辺りどうなんでしょう?synchronous oscillationを支えるメカニズムについての考察はあるんでしょうか?もし知っていれば教えて下さい。
Commented by わるねこ at 2006-11-19 23:06 x
僕は数学的手法について述べられている箇所があの本を読む律速段階だったのですが、ykenko1さんはさすがですね。あの辺りが難なく理解できるようになりたいのですが、数学や統計は苦手です。
ちなみにfeedbackでもreciprocalでもない、reentryという概念は面白いのですが、実のところちょっとつかみどころが無い気もしないでもありません。Edelmanが必ず引用するreentryに関する大規模シミュレーションの論文があるのですが、僕はまだ詳しく読んでいません。というより途中でつまづきました。確かfeature bindingに寄与する、reentrant loopsではenergy consumptionの効率がよい、などの結論だったような気が・・。
Commented by わるねこ at 2006-11-19 23:07 x
脳のcoherencyとかcoordinationにneural synchronyが多かれ少なかれ、決定的な形で関わっていることは間違い無いと思います。ただし、Edelmanのreentryはどちらかというとネットワークの構造プロパティに関する概念であって、functional clusterのようなニューロン郡の過渡的で機能的なグループ化には欠かせないのでしょうが、それだけでは脳のcoherencyやsynchronizationは生じないと思います。そのためには、もうちょっと別のプロパティが必要ということで、この辺りはBasarも述べていることですが、oscillationのタイミングが決定的に重要なのだと思っています(最近のブログで書きました)。さらに、並列的に走っているoscillationが正確なタイミングでcoordinateするには、最終的にはcoincidence detectorのような機能も必要だと考えられますが、この辺りはニューロン、アッセンブリ、ネットワークレベルでいくつかのパラメータが関わっているのでしょう。
最近は、この辺りの論文をポチポチと読んでいます。
Commented by ykenko1 at 2006-11-20 00:14
私もそれ程、数学は得意ではありませんが、一応何とか内容は把握できたように思います。Edelmanのシュミレーションの論文(PNAS1991)を今度、読んでみようと思っています。どれだけ理解できるか分かりませんが(PNASの論文はフリーでダウンロードできるのでアクセスしやすいです)。わるねこさんの考えではcoherencyやsynchronizationをreentarantで説明するのは難しいのではないかと言うことですね。確かにreentryだとcoherent activityが少し遅れて現れて来るように感じます。私ももっと勉強したいと思います。


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