コミュニケーションについて

最近、コミュニケーションについて感じたこと。

ひとつはコミュニケーションとリズムについて。相手と良くコミュニケーションするためには相手と自分のリズムをよく知って、その妥協点を探すことが必要だと言うこと。

もうひとつはコミュニケーションと関係性について。『人間コミュニケーションの語用論』の中に「全てのコミュニケーションは内容と関係の側面を持ち、後者は前者を分類するのでメタ・コミュニケーションである」と書いてある。つまりコミュニケーションはただ単にある情報を伝達することではなくて、その基盤として相手と自分の関係性がある。その関係性によって伝えようとする情報の内容も制限され、拘束される。

この事を最近、実感したのは、皆の前であれも話そう、これも話そうと頭の中では考えていたのだが、実際に皆の前に出てみるとそういう雰囲気ではなくて、ほとんど話すことができなかったのだ。それは普段からのお互いの関係性のゆえだったのだと、後から振り返って考えた。

先程の『語用論』の中に書いてあることで、その他で興味深かったのは「コミュニケーションには情報を伝達すると同時に行動を押し付ける」側面があるという部分。別の言い方としては「コミュニケーションには“報告”と“命令”の側面がある」ということ。我々はコミュニケーションによってただ単に情報を交換し合っているだけではなく、お互いの行動を拘束し合っているということだ。

『語用論』は名著だと思う。
by ykenko1 | 2008-11-24 23:12 | 心理学・精神医学 | Comments(0)


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