カテゴリ:眠れぬ夜( 2 )

東洋の知と西洋の知

  『言志四録(一);言志録』川上政光訳注(講談社学術文庫)が好きでときどき読みます。著者は佐藤一斎という江戸時代の儒学者で、時代を動かした偉人達を生み出した先生です。有名な弟子として佐久間象山や横井小楠などがいて、佐久間象山の弟子が勝海舟、坂本龍馬、吉田松陰、など。あの西郷隆盛も言志四録を愛読していたとのこと。
  これを読んでいて気付かされたこと。あのころの時代の知とはいかに人格を高めるか、そのための内面の知であった。それに対比して彼は西洋の知を外面の知、と呼び実用的な知と位置づけている。人間にはこの両面が必要だという話は、以前書いた(科学と物語)ことにも通じると思う。
  この本の中から一節を引用する。
「59患難は才能を磨く」
”我々が出会うところの、苦しみ悩み、変わった出来事、恥ずかしめを受けること、人から悪く言われること、心に困ったと思うこと。これらのことは皆、天の神が自分の才能を老熟させようとするもので、いずれも我が修徳勉励(しゅうとくべんれい)の資でないものはない。だから、君子は、このようなことに出会ったならば、これをどう処理するかに工夫をこらすべきもので、これから逃げようとすることはいけないことだ”

  心に沁み入る言葉です。
by ykenko1 | 2004-07-31 01:56 | 眠れぬ夜 | Comments(2)

好きな曲

  眠れぬ夜シリーズ第2弾。このシリーズ、これからも続くかも…。
  ヘッセの詩に『眠れぬ夜』というのがあります(『ヘッセ詩集』高橋健二訳、新潮文庫より)。
  「意識の最後の境に、精神が
  疲れながら意地悪く目ざめて見張っている。
  瞬間のうちに無数の生を
  幻のように生き、熱に疲れながら
  いつまでも休もうとしない。
  (以下略)」
  さすが詩人ですね。うまいこと言いますよねえ。
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  ところで眠れないときに私が聞く曲があります。
     Brian Eno;"Ambient 1; Music for airports"
です。まさに静寂そのもの、と言ったらいいんでしょうか…。不思議なやすらぎの空間につつまれます。比較的単純なメロディの繰り返し。CDジャケットに楽譜らしきものがついているのですが、モールス信号のような、バーコードのような、不思議な楽譜です。あの喜多郎も楽譜は五線譜ではなくて絵みたいなものが書いてある楽譜を見ながら演奏しているとか。Enoは、音楽は家具のようなもの、必要以上に自己主張するものではない、とのこと。エリック・サティも家具の音楽と言っていましたが、その系譜を引き継いでいるようです。
by ykenko1 | 2004-07-19 01:54 | 眠れぬ夜 | Comments(6)