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脳は感情装置

脳は情報処理装置であるだけではなく感情装置でもある。
by ykenko1 | 2007-05-28 07:03 | 脳科学 | Comments(2)

Gregg Rosenberg "A place for consciousness" 2

Gregg Rosenberg の"A place for consciousness"の中からの話題、第二弾。

Rosenbergは「意識の境界問題」という問題提起をしている。自分の意識の所属しているのはこの世界の中の意識的経験の一部分であり、他の意識的経験は自分には所属していない。つまり意識現象にはある種の境界があり、それぞれに個別化されている。物質世界のミクロとマクロの中間領域でなぜこのような現象が起きるのかを説明する必要がある。意識の境界に関しては様々なレベルを設定することが可能だ。細胞のレベル、細胞から構成された器官のレベル、いくつかの器官から構成されたシステムのレベル(例えば生殖系)、ひとつの有機体のレベル、有機体の社会のレベル、生態系のレベル、と言うように。素粒子レベルの物理的な相互作用の束からどのように意識の境界が設定されるのかは物理的な法則の中で必ずしも明らかではない。
by ykenko1 | 2007-02-20 05:52 | 心の哲学 | Comments(0)

情報空間と意味のクラスター

認知心理学や神経心理学の分野では意味記憶と言うと視覚・聴覚・触覚等の様々なモダリティからの入力による記憶や経験のクラスターのようなものと考えられている。意味を情報空間の中に浮かぶクラスターとして考えてはどうだろうか?情報はその意味が情報空間の座標系の中で占めている位置を指し示すに過ぎない。情報はアドレスであり、意味がそのコンテント。そんな風に考えることで整理されてくるのでは。もちろん意味には過去の経験から付与される情動的なコンテントも含む。

関連記事;がんばれ!日本人研究者(9);松本元パート2
by ykenko1 | 2007-01-25 23:42 | 認識論 | Comments(2)

『夜と霧』は、やはり名著だった!

ヴィクトール・フランクルの『夜と霧』については昔から知っていたけれども、ようやく最近読んで、やはり名著だった!これを読むきっかけになったのは今年の大阪での心理臨床学会でのある出会いなのだけれど、読んで良かった。精神科医であるフランクルがユダヤ人としてアウシュビッツの収容所に入れられた時の体験を心理学的な観点から考察し、更には人生の意味について考えを深めて行く。テーマを一言で言えば「究極の状況の中で如何に人間は希望を持ち、人間性を保ち続けることができるか?」と言う事。すぐに読めるし、読んで損はないことを保証する。五つ星。
by ykenko1 | 2006-12-05 17:35 | 心理学・精神医学 | Comments(0)

空想と現実の区別とそれを支える神経基盤

昔(2004.11.17)、複雑系の認識論(2);脳はいかにして空想と現実を見分けているのか?という記事を書いた。(本当に昔のネタを再度持ち出して申し訳ない。)内容としては人間が如何にして空想と現実を区別しているのかという認知心理学的な研究の話であった。結論としては脳の中の情報処理過程でボトムアップ的な処理の痕跡が強いものが現実として認識され、トップダウン的な要因が強く残っている者が空想として区別されるというような話であった。(前回の記事に追加するとすれば、空想は一面的なアクセスであるのに対して現実は多面的なアクセスが可能という面も指摘できるだろう。)

上記の話はあくまでも健常者の認知のお話。痴呆症の方や統合失調症の方が妄想という症状を呈するような場合はこれとはまた違ったファクターが絡んでくる。妄想の場合、誤りを訂正できないのが特徴で、妄想内容をご本人は確信している。確信とは情動のひとつの有り方なので単に認知の次元に収まらない。アルツハイマー病で妄想の症状を呈する場合は右大脳半球の障害が強い場合が多いと言われている。ラマチャンドランという有名な神経科学者の説によれば、左の大脳半球は放っておくと自分の手元にある情報から合理的な作り話を構築してしまう。それに対して右半球は左半球の作り話を現実と比較してその整合性をチェックする働きをしていると言う。ウェルニッケ・コルサコフ症候群と言ってアルコール依存症やビタミンB1欠乏症の方が物忘れや見当識障害、作話等の精神症状を呈することがある。作話とは本人に悪気はないのだが、どんどん作り話をしてしまう症状。この症候群を来す部位としては前脳基底部といって脳の前方底面に近い場所の障害が指摘されているが、この部位も人間の現実感覚をチェック(リアリティ・モニタリング)するとして考えられている。
by ykenko1 | 2006-10-17 15:47 | 認識論 | Comments(0)

フランシスコ・ヴァレラ『身体化された心』

わる猫さんのお勧めのフランシスコ・ヴァレラ『身体化された心』(工作舎)を購入した。ヴァレラは神経科学者だが、オートポイエーシスの理論化でも有名な人。西洋的な心身二元論ではなく仏教的な世界観を中心として「認知=行為」という見方(エナクティブ・アプローチ)を取る。読むのはこれからだけれど、面白そう。今の時代、西洋的な直線的な因果律的な見方だけではなく、東洋的な循環的システム論的な見方も重要になってきている。

ところで工作舎の本を手にしたのは本当に久しぶりだ。高校時代は結構、好きで読んでいたのだけれど。ライアル・ワトソンの本とか、松岡正剛の本とか。懐かしい。
by ykenko1 | 2006-10-02 18:56 | 脳科学 | Comments(4)

神経心理学会

昨日から名古屋に来ている。神経心理学会に参加するためだ。ポスター発表だけれど今日は自分の発表があり、無事終了した。何人かの方々とお話しすることができた。

面白かったのはUniversity College London、Institute of Cognitive Neuroscience and PsychologyのPaul W. Burgess先生のお話。“A gateway between mental life and the external world: Role of the rostral prefrontal cortex (area 10)”と題して、前頭前野の前方のBroadman area 10と言う場所が何をしているかという内容だった。この部分は前頭前野の中の単一の領域としては一番大きく、他の動物と比べてもヒトでは大脳全体の中でその占める割合がダントツにでかい。細胞密度はとても低いのだが、その分樹状突起の密度は高い。また髄鞘化されるのは一番遅い部分である。

この領域は予期記憶(prospective memory)にも一役買っている。Burgess先生はarea 10のGateway仮説というのを唱えている。この部分が精神の内界と外界の出入り口の役割を果たしているという。外界へ注意が向けられている時、area 10の内側部が賦活化され、自分の思考など内界へ注意が向けられている時、area 10の外側部が賦活化される。この部分が障害されると、内界と外界の切り替えや調整・制御が難しくなる。

*最近、飛行機に乗るのが妙に怖い。乱気流での急下降を経験してから、そんなモードになってしまっている。生物というのは過去の履歴に依存した振る舞いをするしかない存在のようだ。一方で窓から見たどこまでも続く白い雲海はやけに美しかった。
by ykenko1 | 2006-09-22 18:08 | 脳科学 | Comments(2)

神経性食思不振症

神経性食思不振症、いわゆる拒食症というやつだ。心療内科のドクターに聞いた話だが、最近の神経性食思不振症の患者は昔とは大部違うようだ。昔は女の子でスタイルが良くなりたくて食事を拒絶してガリガリに痩せてしまい、到底美しいとは言えない姿になってもまだ痩せたいと言って食事をせずに命を落とすケースも少なくなかった。最近はそこまでストイックに食べないことを貫けないようで、むしろ過食に走る。過食してその後、のどに指を突っ込んで吐く、というのを繰り返すパターンの方が増えて来たそうだ。そして男性の患者も増えていて、これがまた手に負えないと言う。時代が変われば病気も変わる。
by ykenko1 | 2006-09-20 22:15 | 医学・医療 | Comments(2)

ADHDとリタラー

ADHDのことを調べていたら最近はリタラーと呼ばれる人達がいるらしい。リタリン(メチルフェニデート)という薬はドパミン系やノルアドレナリン系のシステムを賦活する働きがあって、覚醒剤に似た作用を持つ。(ADHDの治療薬として有名。)それでリタリン中毒のようになってしまう人のことをリタラーと言うらしい。何にでも中毒になる人がいるものだ。(ADHDの人はドパミントランスポーターが普通の人よりも多いと言われていて、そのためにドパミン系のシステムの機能低下が起こる。リタリンはそのドパミントランスポーターをブロックすることで効果を発揮する。)

アメリカでは落ち着きのない子供に皆、リタリンを飲ませているようで子供達の30人に1人は飲んでいるという話も聞いたが、本当だろうか?
by ykenko1 | 2006-09-19 23:48 | 自己学習 | Comments(0)

ストレスの方程式

今回、心理臨床学会に参加した時に、臨床心理士の友人から教えてもらったのだけれど、ストレスの程度を予測する方程式があるそうだ。それによるとストレスの程度は以下の3つの因子によって決定される;

1.demand;要求水準。理想や要求水準が高すぎるとストレスも強くなる
2.predictability;見通し。課題が与えられた時にそれを処理できるという見通しが立たないとそれだけストレスも強くなる
3.social support;社会的支援。特に情緒的な支援。これが少ない人はストレスが強くなる

うつ状態になりやすい人は完璧主義の人が多いそうだが、それはこの方程式に当てはめればdemandが高いため、ストレスが強いのであろう。
by ykenko1 | 2006-09-18 11:00 | 心理学・精神医学 | Comments(0)