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決定論と非決定論

以下は私の知人の説。

通常のレベルの世界における物理学は決定論で、実際に何が起こるかは自然法則によって決まっている。しかし量子力学の世界では自然法則が決めるのはある出来事が起こる確率のみであって、実際に何が起きるかは決まらない。実際に何が起きるのか決めるのは素粒子自身の自律的な選択なのだと言う。

確かに量子力学の世界で最も支配的な法則はシュレディンガーの波動方程式だが、それ自体は物事の起こりやすさの確率の重ね合わせを表現しているに過ぎない。実際に何かが起こる時にその中のひとつが選択されることを波動関数の収縮というが、何故その収縮が起きるのかについて定説はない。
by ykenko1 | 2007-04-06 06:13 | 物理学 | Comments(0)

独り言

サイエンスライターの竹内薫氏によれば、量子力学の隠れた変数についてはアスペの実験によって否定されたかに見えたが、D.Bohmの量子ポテンシャルの理論はそれをうまくすり抜けているらしい。そっかー。そうなんだ。
by ykenko1 | 2007-03-21 07:33 | 物理学 | Comments(0)

『量子が変える情報の宇宙』メモ

『量子が変える情報の宇宙』ハンス・クリスチャン・フォン=バイヤー(日経BP社)

何故これまで物理学の用語の中に情報が入らなかったのか?
情報-主観性を含む。主観性と客観性の中間領域。
「情報が物質と精神のつながりをもたらす」(ファインマン)

情報=関係(パターン)の伝達
BIT(0または1)からQUBIT(0と1の絡み合わせの状態)へ。
情報と確率の関係。ベイズ確率。
コペンハーゲン解釈;物理学は実在についての学問ではなく、情報についての学問。
ザイリンガーの原理;一つの基本系は1ビットの情報を伝える。
「(ITはBITからなる)このタイトルによって象徴される考え方とは、物理世界の全ての特徴が、その根底、大半の場合は最も深い根底に、非物質的な源と意味を宿しており、我々が現実と呼んでいるものは、イエスかノーかで答える質問と装置が起こす反応の記録を基にした、最終的な分析から生じてくるものである、というものだ。」(ウィーラー)
 「簡単に言えば、全ての物理現象は、元をたどれば情報理論的な存在であり、それは『参加型宇宙』に存在しているのである。」(ウィーラー)
実在の根底に情報(経験)がある。すべての科学的な事実は経験に基づいたものである。
「ITすなわち物質世界はその全体あるいは一部分がBITすなわち情報から作られている」「いつか我々は物理学全体を情報という言葉で理解し表現できるようになるだろう」「(参加型の宇宙)宇宙は完全にあちら側に存在していて発見されるのを待っているのではなく、我々が問いかける疑問やそれに答えることで得た情報そのもののよって、宇宙の一部が形作られる」(ウィーラー)

情報の意味論的側面;情報容(information content; CONT),総情報量(ザイリンガー、ブルクナー;量子論的なCONT)。驚きや信憑性(コーリ)と関連。

ベイズ理論、ランダム性についておまけで勉強になった。
by ykenko1 | 2006-08-14 17:28 | 情報論 | Comments(6)

『心が脳を変える』を読んで

『心が脳を変える』ジェフリー・M・シュウォーツを読んだ。真っ向から心脳二元論の立場に立って、心が脳を変える力を持つという主張は過激だが、いろいろと勉強になった。大脳皮質のダイナミックな再構成についての最近の研究に付いてよくまとまっていて、目から鱗であった。痴呆の方々への応用は可能であろうか、考えてみたい。

心脳問題の根底のメカニズムについて量子力学を持ち出しているが、一番の問題点は量子力学はあくまでもミクロの領域の話なので、それが脳というマクロの領域でいかに作用するかという部分。シュウォーツは量子力学者のヘンリー・スタップと共に神経伝達物質放出の引き金となるカルシウムイオンのチャンネルに注目している。カルシウム・チャンネルは1ナノメートル未満と微細な領域なので量子力学の法則が適応されると言う。

それにしても量子力学が何を意味しているかについては未だに、決着にはほど遠いようだ。連続して観測を行うことによって、対象となる粒子の状態が固定化されるという量子のゼノン効果(見ているヤカンは沸かない)というのは初めて知った。何でこんなことが起きるのやら。

自由意志に関する実験で有名なベンジャミン・リベットが自由意志否定派だと思ったら、擁護派だというのは意外だった。彼の実験では手を動かそうとする550msec前に準備電位が発生し、運動の100〜200msec前に行動しようとする決断が意識される。つまり準備電位から350msecほど遅れる。これまでの一般的な解釈は自由意志と言うのは存在しなくて、ある意識が生じる前に神経活動が発生しており、自由意志と見えるのは単なる神経活動の発火現象の後追いの現象に過ぎないと言うものであった。しかしリベット自身はそうではなくて、むしろこの遅れて意識されるのは運動をそのまま進行させるか、とどめるかの介入のための自由意志なのだと考えているようだ。
by ykenko1 | 2006-07-24 13:30 | 脳科学 | Comments(0)

ホーキング博士の量子重力理論

 ホーキング博士の量子重力理論って、どうなんだろう。宇宙に非特異点を作りたくないからと言って宇宙の始まりを虚数時間にするのって、理論として美しくないのでは。なにかつぎはぎだらけのような。そりゃ、そうすれば非特異点がなくなって話の辻褄が合うというのは分かるけれども。Newton別冊『宇宙創造と惑星の誕生』を読んだ素人の印象だから何の説得力もないけれど…。なんだかなぁ。
by ykenko1 | 2006-03-09 00:39 | 科学など | Comments(0)

心脳問題;茂木氏の日記に感動!

 2月1日付けの茂木健一郎氏のブログ『新クオリア日記』に感動!深い!(以下に引用)

「代々木公園を抜けて原宿に歩いている時に、今まで感じたことがないほど強く「意識とは常温の量子計算である!」という直観が強くなった。
 相互作用同時性は、現象学的にはシナプス相互作用において現れるが、それを突きつめていけば発生・吸収を繰り返す光の世界線(あるいはZitterbewegungする質量のある粒子の世界線)にまで帰着するということは間違いないと思われる。
 常温では量子的効果は現れないようだが、そもそも古典的な物質が安定して存在すること自体が量子力学なしでは説明できず、ミクロレベルでの粒子と波動の二重性のマクロスコピックな展開として物質と意識の二重性が現れるのであろう。
 その際、本質的な属性としてのメタ認知は現れる。」
by ykenko1 | 2006-02-10 10:28 | 脳科学 | Comments(0)

量子確率論的世界観

  皆さん、ご無沙汰してます。一応、生きてました。今回、nadjaさんのコメントに刺激されて久しぶりに記事を書きます。(読んでくれる人はどれぐらいいるか分かりませんが。)
  最近、アメリカのサイエンスライターの人で量子力学か化学の分野でPhDを取った人の話を聞く機会がありました。面白かったのでそのことについて書きます。彼によれば20世紀に量子力学の確立によってこれまでとは全く違った世界観が示されたのだけれど、それはあくまでミクロの世界のことだからと決めつけられてマクロの世界観はこれまで通りで良いとされてきたが、それで本当にいいのか?と言う訳です。現在、量子力学の世界観は化学のレベルまでには適応されつつあるのだそうな。しかしそれ以上のレベル、即ち生化学、生物学、認知神経科学のレベルなどにはまだまだ適応されていない。
  彼の主張の中心は結局、自然法則は決定論ではない確率論なのだ、ということのようです。Path of Least Actionという法則があって要は物理現象はもっとも抵抗の少ない道に従う(例えば光りが最短距離を結んで直進するというようなことだと思う)のだが、古い物理法則は物質が宇宙の法則によって強制的にそのような道を選ばざるを得ないと考えるが、量子力学の世界ではそのような道を選ぶ傾向があるとしか言えない。もし自然法則が決定論でないとすればこれまで知られていないような力が様々な現象の背後に働いているかもしれないとのこと。
  考えてみればミクロの世界は量子力学でマクロの世界はアインシュタインの相対性理論(限定された範囲ではニュートン力学)というのはいかにもちぐはぐで場当たり的だ。そういえば量子力学と相対性理論の統一が現代物理の難問だという話は前から聞いていたけれど、このことだったんですね。
by ykenko1 | 2005-12-04 23:24 | 物理学 | Comments(2)