複雑系の心理学(3);人間が現実を認識するとはどういうことか?

夜、高速道路で。
  homeandhomeさんの記事でフィクションと現実の関係について触れられていて、それに触発されて、書いてみます。(フィクションと現実と言えば、最近読んだ本で茂木健一郎の『脳と仮想』(新潮社)は面白かった。人間にとってフィクション=仮想がどれほど切実か、ということがテーマの本です。)
  人間が生きている現実は物理的現実の中に生きているというよりも、むしろ社会的現実の中に生きている。例え物理的現実であってもそれが人間にとって、どういう意味をもっているかということの方がリアルであり、切実な現実である。
  認識とは解釈である。つまり人間は認識するときに必ず何らかの解釈をして、自分なりの味付けをしている。
  最近の社会構成主義の考え方で言えば、現実そのものを知ることはできない。むしろ現実とは人間と人間との交わりの中で作り出される(構成される)。また現実は人間によって物語られることによって人間的現実として成立するようになる。
  フィクションと現実の関係は思っている以上に近い。
by ykenko1 | 2004-11-02 01:05 | 心理学・精神医学 | Comments(4)
Commented by symwoo at 2004-11-03 10:03
近いどころかそのものですね。人間は諸々の妄想を現実として信じてここまできたわけですからね。妄想が信仰になり、科学になったのは最近のことでよね。このテーマでトラバしたくなりました。
Commented by ykenko1 at 2004-11-03 14:34
symwooさん、トラバありがとうございます。
Commented by eda at 2004-11-16 00:38 x
更新楽しみにしております。僕が書くことは、てんでアカデミックじゃなくてナンセンスなんですが、興味深かったのでトラックバックさせていただきました。
Commented by ykenko1 at 2004-11-16 13:46
edaさん、トラバありがとうございます。edaさんの方のブログにコメントさせてもらいます。


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