階層・次元の問題(2)

  前回に引き続き階層・次元の問題について。
  これもまた前回に引き続き『複雑系入門』(p13〜14)からの引用ですが、「システム論者ピーター・チェックランドは、実験科学としての観点から物理学、化学、生物学、心理学そして社会科学という序列に階層を作りかえた。各階層は独自の説明体系をもっているが、その下の階層の言葉でも説明ができるはずである。例えば、物理法則に基づいてはたらいている化学反応は物理学の言葉で説明できるはずであり、化学反応でなりたっている生物は化学の言葉で説明できるはずである。しかし、現実にはそうはなっておらず、個別科学の各階層の間にはギャップがあるとチェックランドは指摘している。」
  この各階層間のギャップについて研究することもまた複雑系科学の使命であるとすれば、このギャップがなぜ生じるのかという問題がこの新しい方法論によって解明されることを私としては強く願います。というのは今までの科学は進めば進むほど、細分化する方向に発展してきたので、それを統合していく方向性というものがどのようにして見いだすことができるのか、ということは大きな課題であると考えるからです。うまくすれば文系と理系との間の風通しももっとよくなるかもしれません。

参照;創発と物語(一)
by ykenko1 | 2004-04-11 19:06 | 科学など | Comments(2)
Commented at 2004-04-13 23:16
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by ykenko1 at 2004-04-14 11:20
ありがとうございます。私の専門は実は医療関係なのですが、趣味でこんなことやっています。これからもよろしくお願いします。


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