痴呆患者さんへの非薬物療法について、念のために追加しておくと、評価が困難のためにエビデンスがないことがそのままイコール、効果がないということではない。
by ykenko1
| 2006-07-31 15:08
| 認知症関連
|
Comments(2)
認知症患者さんへの評価・訓練は非常に難しいと思います。
「脳を鍛える」で有名なDrがいらっしゃいますが、この方が書いた論文を読んでみますと、単純計算を行わせると長谷川だったか、MMSだったか忘れましたが点数が上がった、つまり、認知症症状が軽減したと述べられていました。 これは認知症の改善なのだろうか? 私もこれを試したことがあるのですが、どうも納得いく結果にはならない。 どうしてもその方の行動変容を起こせないのです。 それでは臨床的に「意味が無い」のです。 生活していくということを考えればですね。 私はこの方に作業療法を行うことで以前に比べて落ち着いて日中を過ごすことができるようになったと思っています。 性格も穏やかになり、看護師などに対する対応も柔らかくなったように思います(私の主観ですが…) 作業療法もしっかりとしたエビデンスを求められるのでこれからもっと勉強したいと思います。 これからもよろしくお願いします☆
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ykenko1 at 2006-08-03 00:03
えーっと、Dr.Kのことですよね。あの方の主張している事は学問的には(学会では)ほとんど評価されていません。大変、困っています。昨年の5月に鹿児島において行われた日本神経学会でDr.Kが講演されましたが、ご自身が開口一番、「これにはエビデンスはないのですが…。」と言って話を始められました。例えば計算ドリルなどで脳の前頭葉の代謝が上がることと、それで実際の痴呆の方の脳の機能が改善することとでは全く意味が違います。前者はあくまでも一時的な活性化です。それによって障害された脳が変化・改善するのではないのです。それから彼の対象とした痴呆患者はいろいろな病気の方が混ざっています。脳の障害のされ方が違う者をまとめてしまうのは、研究上、明らかな間違いです。気まぐれさんの指摘される、認知機能の改善と生活機能のギャップ(般化させられるかどうか)ということもありますね。要は何をやらなければならないと言うのではなく、その方が熱中でき、楽しめることをすることが一番大切でしょう。
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