痴呆症の重症度とケア

痴呆症の方のケアをするに当たって、その重症度に対する配慮が必要になる。例えばデイサービス等で麻痺はあるけれども、認知機能は保たれている高齢者の中に、痴呆症の方がいると「あの人はいつも同じ話を繰り返している」と言って、仲間はずれにされたり、いじめられたりするようなことがある。これが同じ痴呆症のグループの中でも重度の人が軽度の方々の中で馬鹿にされるというような状況も出てくる。同じ重症度の方々同士はうまくいく。まったく会話になっていないようなちぐはぐな会話でも、同じ話の繰り返しでも、うなずいたり、返事をしたりして延々と不思議なコミュニケーションが成立することがある。
by ykenko1 | 2006-08-16 13:10 | 認知症関連 | Comments(5)
Commented by 気まぐれ at 2006-08-17 23:37 x
コミュニケーションにおいて私もこういう経験あります!!
うちではリハは完全個別なのですが、認知症の強い患者さんを何人か同じ時間帯に合わせて他のThと一緒に訓練をするというようなことを行ったことがあります。
そしてその時はみなさんの様子が格段と違ったりします。
笑顔も多く見られます。
なるべく同じレベル(身体的にも認知症的にも)の患者さんを集めて行ったので和気藹々とした雰囲気でした。

認知症でなくても同じ脳卒中の患者さん同士で陰口を叩いたりというような場面を経験したこともありますね(汗)
一種の防衛機制的なものなのかもしれないと私は考えています(自分がこれ以上精神的ダメージを受けないように)
Commented by ykenko1 at 2006-08-18 00:00
>うちではリハは完全個別なのですが、認知症の強い患者さんを何人か同じ時間帯に合わせて他のThと一緒に訓練をするというようなことを行ったことがあります。そしてその時はみなさんの様子が格段と違ったりします。笑顔も多く見られます。

グループの力というのは大きいです。ただグループという枠組みを作るだけで全然違ったりしますね。
Commented by ykenko1 at 2006-08-18 00:00
>認知症でなくても同じ脳卒中の患者さん同士で陰口を叩いたりというような場面を経験したこともありますね(汗)

こういう時はファシリテーターは困りますね。上手く誘導してあげないといけないですね。


>一種の防衛機制的なものなのかもしれないと私は考えています(自分がこれ以上精神的ダメージを受けないように)

確かにそれはあるかも。何とか自分のプライドを保とうと言う、そういう意識があるのかも。いずれにせよ患者さんの表面的な行動だけではなく、深い気持ちまで読み取るようにしないといけないですね。
Commented by F at 2006-08-18 05:06 x
実は,verbalのようで,non-verbal communicationなんでしょうか.
おもしろいですね.
Commented by ykenko1 at 2006-08-18 08:45
もちろんグループワークの時はnon-verbal communicationの力が強いですが、軽度から中等度のアルツハイマー病の方のコミュニケーション障害は主として記憶障害が大きいですね。そのかわり、取り繕って相手に合わせるのはうまい。前頭側頭型痴呆の方と対照的です。前頭側頭型痴呆の方は人と合わせようとする世界が乏しくて。


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