<   2007年 11月 ( 5 )   > この月の画像一覧

目的志向的行動

私たちは目的志向的行動を通してただ単に何かを経験するというだけではなく、自己と世界に関するモデルを創造している。(目的志向的行動とは特異的な努力のこと。)


にほんブログ村 科学ブログへ
by ykenko1 | 2007-11-28 07:06 | 心の哲学 | Comments(0)

脳ー身体ー環境回路とリハビリ

たまたまリハビリ関係の研究会に参加したのだが、リハに関するものに参加するのは初めてだった。これまでは高次機能障害や認知症や臨床心理の学会にのみ参加していた。と言う訳でとても新鮮だったし、勉強になった。その中でとても強い印象を受けた事があって、多分この内容はリハビリ関係をやっている人にとってはとても当たり前の現象なのだろう(例えば気まぐれさんなんかはとてもよく知っている事なのだろうけれど)が。

それは脳ー身体ー環境がひとつの回路としてつながっているということだ。そしてそこにおいて治癒的変化がもたらされるということ。

一番印象に残った症例は寝たきりのお婆ちゃんの話で、脳梗塞後遺症で身体全身が過緊張の状態になっている。車いすに乗せる事もあるのだが、その上でもやはり突っ張ってしまっている。コミュニケーションもほとんどとれずに「痛い」ぐらいしか言わない。その方に対してバスタオルを身体の下に敷いて体位交換するようにしながら背中の様々な部分がベッドに触れる感覚を与えていくことで身体の過緊張の状態が改善し、車いすでの姿勢が改善。首も回すようになってアイコンタクトも取れるようになり、「痛い」という発言もなくなってしまった。何故こんなことが可能なのか?

その理学療法士の考察では脳梗塞の後遺症で体幹を保持する力が無くなってしまいベッド上でも姿勢を保つ事ができず、それを代償しようとして過緊張の状態になっており、背中からの感覚入力も歪んでしまっている。バスタオルを利用して背中の部分、部分の感覚入力を与えてやる事で自らの姿勢に関する認識に変化がもたらされて過緊張の状態が取れてリラックスできたのだと言う。

この症例以外にも車いすとポータブルトイレの下にクッションを一枚追加しただけで日常生活動作(ADL)が大きく変化し生活の自立度と意欲の変化が見られたり、半側空間無視といって頭頂葉の障害で身体の左側に関して注意が行かなくなっていた人がプリズムめがねで視線を左に10度ずらすことで左側への注意がなされるように脳の回路が切り替わったり、などが印象的だった。

これらの症例から感じたことが脳ー身体ー環境の回路がひとつにつながっており、ひとつを変化させることで全体に変化がもたらされるということであった。それはヴァレラとトンプソンの“Radical embodiment”の中で「脳だけの世界」から「脳ー身体ー環境の世界」へ観点を変えなければならないと主張した事、そのものであった。抽象的に考えると脳ー身体ー環境がひとつになってあるアトラクタを描いていたのが、リハビリ的介入により別のアトラクタを描くようになったと見る事ができようか。ある種の感動を覚えた。

あまり触れてこなかった分野から学ぶ事はとても大きい事を実感した次第。

にほんブログ村 科学ブログへ
by ykenko1 | 2007-11-18 06:59 | 医学・医療 | Comments(4)

パターンのやり取り

外から内に向かってくるパターンを受け止めることが認知であり、内から外に向かってパターンを押し付けることが行動である。


にほんブログ村 科学ブログへ
by ykenko1 | 2007-11-14 22:57 | 認識論 | Comments(0)

Kelso & Haken

a0010614_983234.jpgScott Kelso "Dynamic Patterns"

Buzsakiの"Rhythms of the brain"を脳の非線形性を時間的にリズムとして表現したものとすれば、Kelsoのこの本は空間的にダイナミックパターンとして表現している(実際にはパターンと言っても時空間のパターンなので純粋な意味での空間ではないのだけれど、対比的に捉えるとそういうようにいえるのではないか、と言う事です)。





Kelsoの主張をまとめると;
すべての意識的な思考・意志や意図は適切なパターン変数として表現されなければならない。それは協同的ダイナミックスを形成することにつながる。秩序パラメータ(『情報と自己組織化』を参照)の形態的同一性(isomorphism)が心と身体、意志と脳、心的現象と神経現象を連結する。脳は意味のあるパターンを紡ぎだす「魔法の機織り機」(シェリントン)である。脳は神経それ自体ではなく動的パターンという言語を使っている。

KelsoさんはHakenさんのお弟子さん。HakenはKelsoの本の序文で「この本は脳科学の分野でシュレディンガーの『生命とは何か』と同様のインパクトを与えるだろう」と書いているがどうだろう?上記の本はHakenの以下の本とかなり重なっている。


a0010614_984612.jpgハーマン・ハーケン "脳機能の原理を探る"














にほんブログ村 科学ブログへ
by ykenko1 | 2007-11-11 12:40 | Comments(0)

生きること

「生きるとははたらくことだ。」と自分自身に言い聞かせてみる。
(はたらく=はた(傍)をらく(楽)にすること)

…あれ、相田みつをみたいになっちゃった。
by ykenko1 | 2007-11-06 10:32 | 人生、哲学 | Comments(2)